141.映える写真

1504941126705

土曜日のアトリエは朝の10時から夜7時まで開講している。
スタッフはオープニング(開講準備)からクローズ(後片付け)まで含めると
ほぼ丸1日アトリエにいることになるので、
お昼だけではなくておやつも食べてその一日を過ごす。

テーズルを囲んでもぐもぐと口を動かしながら
どうでも良いよもやま話から仕事の話までが話題にのぼる。
わたしはけっこう好きな時間だ。

先週土曜日は、「インスタ映えとは何か」という話になった。
誰かに見せる想定で写真の見栄えが良くなることを考えるということだけれど、
自分で経験したことのおしらせじゃなくて、
反応をもらう目的でわざわざ経験しに行くっておもしろいよねという話になったのだ。

そこから「とりあえずインスタ映えするとは何かを実践してみよう」
ということになり、スタッフ3名がいつもの賄いおやつを、
どれだけ格好よく盛り付けられるかの勝負をすることになった。

いつものちびっ子時間と大人時間の間の
人の往来が途切れるわずかな時間に、
タイマーで時間をはかって勝負することにしたのだ。

仕事中なので長い時間はかけない。
15分の時間制限を設けて、同じ賄いおやつを格好よく配置し、
写真撮影をしてその写真を女子大生の方に判定してもらうことにした。
お皿は併設のカフェ、小鳥喫茶室の備品をお借りした。
おやつは手作りのドライフルーツのライ麦パンと
クリームチーズ、ナッツ、はちみつだ。

バタバタとアトリエの内外を駆け回って、
小物を集めたり草花を摘んだりしながら各自思い思いの盛り付けをした。

スタッフの深谷さんは、パンとドライフルーツをサンドイッチ状に積み上げて、
低いタワーを作っていた。
そのタワーを取り囲むように小さな石膏像やワニのフィギュアが並んでいる。

「。。。深谷さん、なんですかそれ」

「。。崇めよ!ってテーマなんですけど」

「。。。。。。。」

もう一人のスタッフ、まっちゃんは「アトリエのおやつ」を意識して、
画材を背景にしたりしていた。
きれいなだけじゃなくて、写した人や写した場所の情報が入るということで、
なるほど!と思った。

私はなにも考えず、小鳥喫茶室の写真を撮る時のように
目できれいだなあと思うように配置して撮ったのだが、
「映える画像」と行っても色々解釈が違うのだな、と思っておもしろかった。

写真を撮ったら、おやつに興味はなくなってしまった。

きれいな写真を目指したら、
食べたくないものまで盛り付けることになったので、
できあがったものは
「自分が食べたいものセット」ではなくなってしまったからだ。

判定の結果、「崇めよ!」がテーマの深谷さんの作品が
第一回アトリエインスタ映え選手権の優勝者となった。

盛り付けたおやつは審査員をしてくださった方に差し上げて、
改めて出したおにぎりをもぐもぐ食べながら、

(アトリエではインスタ映え、大事かもしれないけれど、
プライベートでは、私はなんにもはえなくていいや)と思った。

やっぱりおやつは、食べたいものを食べたいと思う。