128. 七輪

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土曜日クラスで受験が終わった人がいたので、七輪でおつかれさま会をした。
今年は三人が大学受験、二人が高校受験だ。
大学受験組は、美大を受験したひとは全員合格だった。
前のコラムに書いたももちゃんも、無事に春から多摩美生である。

アトリエには玄関に七輪が常備してあって、ちょっとしたイベントによく使われている。
大したイベントでなくても、「寒いから焼き芋をしよう」とか、
「じゃがいもがたくさん手に入ったから焼いて食べよう」など、わりあい気軽に使っている。

準備は基本的に、アトリエに通う年数が長い、お兄さんお姉さんが中心でやった。
ちょっと年下の子はお兄さんお姉さんに教えてもらいながらお手伝いをして、
通い始めたばかりのちびっ子はまわりを走り回って楽しみながらちょこっとお手伝い参加をする。

いつもやるクロッキーは全員が描くし、各自の制作もしたい人はするので、
この日のアトリエは外も中もとても賑やかだった。

アルケミストは「つくることがすき」というくくりで
色々なひとが集まって制作しているアトリエだ。
だから、色々な制作ができるように種々雑多な道具や材料を用意している。
色々な道具や手法と出会って、試して、これだ!と思う制作を見つけてくれるといいな、
という気持ちがあるからだ。
ちびっ子にはさらに、経験の引き出しをたくさん作って欲しい、という気持ちもあって、
それは私だけではなく、今ではアトリエみんなの総意になっている。

材料や道具の種類が増えるとそれだけで掃除も準備もコストも大変になってしまうけれど、
そんなことは関係ない。いろんなものに触ってよ、と皆が思っているので、
アトリエのスタッフや年長者のお兄さんお姉さんは日々黙々と道具と材料の整理整頓をする。

七輪はもちろんイベントで、遊びだ。
でも、経験の引き出しを増やして欲しいという気持ちの延長線上にある遊びでもある。

皆で何かしているときに自分は何ができるかな?とお手伝いのために頭をめぐらせたり、
雑巾が絞れたり、火をおこせたり、怖さを知って火の始末ができたり……
食材ひとつとっても、無駄にならないように使えたり、
使いかけの包丁の刃は人のいない方向に向けることを知っていたり……。

そういう、「ほんのちょっとしたこと」が出来るって、ひととして格好いいよなあと思ってしまう。

今回はスタッフが殆ど手をかさなくっても、大学生になる子達を中心に、
みんなで片付けまで美しくやった。それぞれが周りをみながら手分けして準備をして、
楽しんでもりもり食べて、片付けもワイワイいながらやった。

制作したい人は、上手に合間を見つけて抜けて制作もした。
夕方からの大人クラスに来られた社会人の方に、「焼いたのでどうぞ」と
ジャガイモやソーセージを振る舞う場面もあったりした。
小学3年生から大学生までが一緒にそうやって楽しめるのは、なんだかいいよなあと思う。

「木炭の火がついてる音っていいよね」
「燃えてる時のにおいも好き」
「そうそう、なんかいいんだよね」

そんな事を話している年の離れた同士の会話を聞いて、なんだかすごく嬉しくなった日だった。