122. エビフライで山をつくろうリターンズ

122
アトリエではよく、通われている大人の方がなんとなく集まって
ごはんを食べたりどこかへ出かけたりということをする。

毎回行く人が決まっているわけではなくて、たまたま都合がよくて、
しかも気分が乗ったひとが行く感じだ。

制作のあとにお腹がすいたので近所のカレー屋さんへ行く、といった、ただの寄り道から、
浅草に出かけて落語を聞いてもんじゃ焼きを食べる等の遠足的なものまで内容はいろいろだ。

以前のコラムにも書いたのだけれど、
そのようななかでも「いい大人がくだらないことにどこまで真剣に取り組めるか」
に集中したイベントをやる時があって、アトリエでは通称「大人の自由研究」と呼ばれている。

「エビフライで山をつくろう」というイベントは、3年ほど前の自由研究企画だ。

土曜日スタッフの深谷さんがエビが好物なので、
年末のささやかなボーナス代わりに1万円分のエビフライを買って、揚げて山にし、
それをボーナスとする、というイベントだった。
現金ではなくエビフライになったのは本人の強い希望だ。

結果からいうと、この企画は当時は実現しなかった。

そんなにも深谷さんはエビがすきなのか、と思ったので
その年のクリスマスに甘エビを2キロプレゼントしたところ、
彼女がエビに飽きてしまったのだ。

よく考えれば、2キロも一人でエビを食べたら飽きるにきまっていたのだ。

深谷さんはイラスト入りのポスターまで掲示してはりきっていたのに、
甘エビ以降、企画がまったく進まなくなってしまった。
せっかくの好物を食傷させてしまい、悪いことをしたなあと思っている。

ポスターはそのままアトリエの玄関に貼られ続け、
「これ、どうなったんですか?」と伺う度に「はあ、まあ。。。」とか、
「そのうち。。。」とかお茶をにごし続けていた。

今回は、ごく近所の文化センターで
調理道具が完備の広い会議室が使えることがわかったのがきっかけで、
一気に企画が実現することになった。
深谷さんのエビ欲も復活したとのこと、構想3年、満を持しての開催である。

2015年6月13日土曜日、17時半より、
アトリエから徒歩8分の文化センターにてエビフライを調理したのち山にして、
写真を撮り、美味しく頂く予定だ。

予算の上限があることがかえっておもしろくて、いろいろ工夫のしがいがあり楽しい。
今のところ、おおよそ230尾程度のエビフライが買える見込みになっている。

スタッフの深谷さんと企画の相談のためメールのやりとりをしていたところ、
「エビフライだけだと飽きますよね、コロッケとかも揚げましょう」とメールが来た。

エビに飽ききった者だけが語れる実感がそこにはあったように思えた。

・・・深谷さん、すみませんでした。。。。と思った。

“””