097. 朝活

097
深谷さんはアトリエの土曜日にいらしてくださっているスタッフさんだ。
専門は木工だが、大学は彫刻科を出ている。

スタッフさん、なんていうと偉そうで、ほんとうは、アトリエが
全然形になってない時からいらしてくださっている大恩人だ。

わたしがアトリエの準備のために一軒家を借りて、内装をひとりで整えていたころ、
深谷さんは学生さんだった。

借りたばかりの時のアトリエは床はむき出しで庭も草ぼうぼうで、荒れ放題だった。
資金がなくて椅子や机もなかったので作って用意した。
平机も、私が働いていた大学の先生の好意で、学校で伐採した材木と研究室の機材で作った。

休みで人がいない工芸室で作業をしていたら、女子学生がいつの間にか手伝ってくれていた。
それが深谷さんだ。 それ以来、ご縁があったのかアトリエをお手伝いしに来てくれ続けている。
本業は別にあるので、わざわざ土曜日にいらしてくださっている形だ。
ありがたいよなあ。。。と思う。

先日いつものように出勤してきた深谷さんが、「今朝、古墳にいって来ました」と、
がさがさするビニールに入っただんごを持って来てくれた。
「?」
「狛江にいい古墳があって、駅前にみよしってだんご屋さんがあったんで、
お土産にと思って」
「古墳?ですか?今朝?」
「そう、立派な鍵形古墳だったんですよ~!これ写真です」
と、古墳の写真を見せてくれたのだが、
どう見ても畑の真ん中に丘がある写真にしか見えない。

なんで朝の出勤前に古墳なのかとか、
そもそもなんで古墳なのかとかは聞いてはいけないのだろう、と
大変嬉しそうにしている深谷さんを見て思った。

「狛江、いいとこでしたねー。都心に近いのに緑が多くて。いいなあ」
「。。。。。。」

ちなみに、古墳の場所は「全国古墳マップ」という本があるそうで、
そこに載っているとのこと。
「色んな古墳が載ってて便利ですよ。
でも、もし行くなら、詳しい情報は同じように古墳が好きな人のHPを
チェックした方が確実です。」と教えてくれた。

うーん。

なるほど。