095. 知識人

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先日、アトリエの方と中華街でおかゆを食べに行った。
アトリエの大人の方はこうやって、比較的よく一緒に遊びに行ったりする。

今回は、土曜日にいらしている大人の生徒さん、松田さんと大野さん、土曜日スタッフの深谷さん、
私のあわせて4人での中華街ぶらぶら歩きだ。

食後に中華街を歩き回ったら少し寒くなったので、お茶を飲もうとギリシャ料理のお店に入って、
あたたかい飲み物を頼んだ。

土曜日スタッフの深谷さんと大人クラスの松田さんは、趣味がとにかく広汎にわたっていて、
映画も音楽も次から次へと話題が広がる。
固有名詞や人名が玉手箱のようにどんどん出てくる会話は、聞いていてびっくりするほどだ。

その日は松田さんのロシア映画についての話題を皮切りに、映画の中でのふとした場面で感じる
民族性の違いについて話していた。

「ここで感動させますよ!ってところより、どうでもいい場面に『なんでそこ?!』みたいな
とこがあるんだよね~。そういうのが興味深いんだよね」

「ああ、わかります!○○(映画のタイトル)の中で、すごい繊細な女の子がふとしたときに
すごい無造作に靴下脱ぎ捨てちゃうんですよ。繊細なら、こう、かわいく脱ぎそうじゃない?
それがばしっ!て」

「そのアンバランスに僕はロシアを感じるんだよなあ。
そういえば、○○(小説のタイトル)のなかでもね。。。」

それにしても、深谷さんも松田さんも、いつ眠っているのだろう?というくらい
色々なものを知っているし、鑑賞している。

「そういうの、いつ調べたりするんですか?」と素直にたずねてみたら、
お二人とも『?』という顔をした。

「いつって。。。別に勉強じゃないしねえ。好きだから、いつとかないですよ。」

「そうそう、しらない事を知るって、楽しいじゃないですか。」

そういうお二人は、同じ時間を生きていても、
その時間を何倍も楽しんでいるように見えた。

松田さんの最近のブームは英語学習だ。

すごいのは、仕事に役立てよう、なんて気はさらさらないのに、
ものすごくしっかり勉強しているところだ。

たまたまお持ちだったノートを拝見したが、受験生並みに書き込んでいてびっくりした。

深谷さんは先日、どじょう鍋と柳川鍋の違いについて教えてくれた。
どじょうをそのまま使うのがどじょう鍋で、
内蔵などをとって下処理、調理してから使うのが柳川鍋とのこと。

(なんで急にどじょう鍋。。。)と思ったが、
おもしろそうなものにはなんでも興味を持つのが、深谷さんなんだろう。

私は途中で失礼したが、
中華街のギリシャ料理屋さんで語られるロシア談義は2時間あまりになったらしい。

あとで大野さんに「あのあと、いかがでした?」と伺うと、
「わたし、自分の文化度が貧しいなあと反省しました。」とおっしゃっていた。

うーーん。。。
二人がすごすぎるだけな気がするのだが、どうなのだろう。