079. チーム『ぼくのうち』

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編集者さんの内館朋生さんと初めてお会いしたのは
宮帯出版社東京支社のオフィスでだった。

実際の内館さんは、メールから想像していた柔らかい雰囲気よりも
きりっとした感じで、やり手、という印象が強かった。

ずっと前に描いたお話を形にしたくて色々試した結果、
自費出版で絵本にする形に落ち着いたのだけれど、
自費出版にしてよかったなあ、というより、
この出版社、この編集者さんに出会えて本当に良かったなあ、と思っている。

内館さんは、別に絵本や本の作りを講義してくれたわけではない。

「どういった表現、どういった作りにすればこれが一番伝わるものになるか」
にとことんこだわる姿勢があって、その話のなかで
本についての実務の言葉がちらほら混じる感じだ。

たったひとつの文章の置き場所を変えることで突然場面が生き生きしたり、
漢字にするか、ひらがなにするかで印象が違ったり。。。
「伝えるために真剣に吟味する」姿勢と、
ものとして本が本当にお好きなのが伝わってきて、それがすごく勉強になったのだ。
今までの経験から、
絵本のつくりや、実際の制作の流れの大体はおさえているつもりだった。
でも実際に制作が進むと、
思っていたよりもずっと
知らないことやわからないことは多くて、本当に勉強になった。
「こういう風にすればいいんじゃないか」とアイデアを投げて頂くと、
目からうろこがおちる気持ちで、
「じゃじゃあ、さらにこういう風にしたらどうでしょう?」
とこちらからさらにアイデアを返したり。。。
作品を真ん中に、アイデアのラリーが続いた。
そのラリーのなかで、ぶつぶつと独り言のようだった自分のお話が、
きれいな声で発音もはっきりしてくるような感じに
みるみる変わっていくのがわかって、マジックをみるような思いだった。
文章はほとんど変わっていないのに、
こんなに印象が変わるものなのか、という驚きがあった。

最後のほうは、編集部の3名の方が全員参加で、
4人でああでもないこうでもないと頭をつきあわせて話をした。
内館さんのみならず、男性編集者の酒部さんやデザイナーさんの女性の鈴木さんも
積極的にアイデアを出してくださった。
完成後、「とても自分だけではできませんでしたし、
もう、自分だけのお話とは思えません」とお礼を言うと、
内館さんが「チーム『ぼくのうち』の作品ですね」と笑っておっしゃって下さった。

たまたま、私が大好きな本と
内館さんが大事にしていた本が一緒だったから、
では済まされないようなリンクっぷりで、
お話をまるごと自分のもののように理解してくださっているのも印象的だった。
「共通理解はできている」という認識のもとに思いっきり動いた感じだ。
私の一方的な勘違いかもいれないけれど、
最後は作品をまんなかに、職業や年齢を飛び越えてわかりあってしまった!
という感覚があって、嬉しい制作時間だった。
 
「ぼくのうち」というタイトルの絵本で、ミヤオビパブリッシングという出版社から、
羽田由樹子(はだゆきこ)の名前で出す予定だ。
極少部数なので、アマゾンか書店注文になりそうだが、
今からかなりわくわくしている。

改めて、宮帯出版の内館さん、酒部さん、鈴木さん、
本当にありがとうございました。。。。!