069. 明治神宮とヨガ

069
鈴木さんとおっしゃる方が月曜日の大人のクラスにいらしている。
どこかのぼんとした強さのある絵を制作される方だ。

まだアトリエにはいらして間がないのだけれど、
地味にお話がおもしろくて、伺っているとつい引き込まれてしまう。

話術が巧みだ、というわけではない。内容がおもしろいのだ。

先日は、いらっしゃるなり、「昨日は明治神宮でヨガをしてきました」とおっしゃった。
「えっ?神社でヨガですか」
「そう、明治神宮には初めていったのだけれど、奥は広い芝生で人があんまりいないのね。
気持ちよかったですよ。ロシア人の美人で若い尼さん主催で」
「?」
「もうその尼さんが、とにかくかわいいんですよ。」
「?」
「それで夜は皆で錦糸町のガード下にある、ベジタリアンの台湾料理屋に行きました」
「・・・あの、色々伺いたいんですけれど・・・ ええと、何人くらいでヨガをなさったのですか?」
「30人くらいかしら。ヨガって初めてだったんですよ。気分がいいですねえ」
「ロシア人のシスターがヨガを主宰して、鈴木さんがそれに参加。。」
「シスターじゃなくて尼さんなのよ。それですごく若くてかわいいの」
「若くてかわいい尼さん・・・・」
「台湾料理にベジタリアン向けのがあるっていうのも
おもしろかったですよ。おいしかったですし」

よくわからないことになってきたと思ったのが顔に出ていたのだろう、
鈴木さんはもう一度順を追って説明してくれた。

先日、鈴木さんはかつて住んだことがある宮城に地震ボランティアに行って来たのだが、
そこで色々な方と出会ったらしく、ロシアからいらした尼さんもその一人とのこと。
その尼さんは地震直後から宮城へ滞在し、そこでずっとヨガのレクチャーをして、
避難所で暮らしている方の体をリラックスしてもらおう、という活動をされていたらしい。

今回その尼さんが母国に帰国することになり、その前に東京でも
ヨガのレクチャーをするとの連絡を受けて鈴木さんが出かけた、という経緯のようだった。

お別れ会のようおな感じで皆さんで食事をしたが、
主賓の尼さんが、行きつけのベジタリアン向けの台湾料理のお店を選んだ、とのこと。

順を追って聞いてわかってきたが、それまでは、
(ベジタリアンで台湾で、ロシアでヨガで、ヨガはインドだし、
シスターじゃなくて尼さんっていうと仏教・・・?でもロシア?)
等々、単語が多国籍すぎてさっぱりわからなかった。

今回の鈴木さんの最大のポイントは「尼さんが美人でかわいい」
というところのようで、それが一番おもしろかった。
最後にその尼さんが所属する団体の入会も薦められたが、
「それはちょっとやめておいたわ」とおっしゃっていた。

その日のアトリエの帰りには、
これまた先日行って来たというジャンベという打楽器奏者のライブについてと、
奏者の映画についてお話をしてくださり、リーフレットも頂いた。

うーーーん。
なんだかすごい行動力だなあ、と思う。