061. 佐吉くんリバイバル

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以前アトリエに通ってきていた、さきちくんから電話がきた。

いま通っている学校でポスターの仕事を頼まれ、
アトリエで制作をやりたいとのこと。

さきちくんはアトリエちびっ子部に、一番はじめに来てくれたひとだ。
初めてお会いした時は中学校1年生だったと思う。

6年間アトリエに通って、
引っ越しするのを機にアトリエ卒業となった。
専門学校に通うので、親元を離れて暮らすためだ。

さきちくんは、古株中の古株なので、以前からアトリエにいらしている方は
ちびっ子から大人の方まで、みんなが彼のことを知っている。

決しておしゃべりではないのだけれど、
そのときに感じたことをぽつぽつと話をしてくれるさきちくんは、
自然に誰とでも仲良くなれる不思議な人だ 。

さきちくんは、調子の出ない時は無理をしないし、
自分で満足いくものができたときにも有頂天にはならない。
すごくゆっくりだけれど、勉強をやめないので、
作品も、時間を重ねて密度をあげていく。

なんというか、色々な事をゆっくり受け止めて、
自然に消化するまで待って、自分のものにしていく。。。といった感じだ。

今回は高校卒業以来、はじめてお会いしたのだが、
ゆったりした自然体の雰囲気はまったく変わらずだった。

「さきちくん、変わってませんねー!」と思わず言ってしまった。

外観はおしゃれなお兄さん、になっていて、顔つきも
大人びていたのだが、空気のようなものが変わっていなかったのだ。

しかしその認識が甘かったことはすぐわかった。
さきちくんは、がっつり大人になっていたのだった。

学校のイベントのためのポスター画像を頼まれている、と
てきぱき話すさきちくんは、
私達が知っていたさきちくんより数段パワーアップしたものだった。

頼んだ人(クライアント)との連絡などを横で聞いたり、
案をどう提示して進めていくか相談を受けたり。。

それはもうきっちりした社会人の動き方に近いものがあった。

極力無駄な動きをしないように、進めるところまでは進めて
進捗状況を報告・連絡、指事を待つ、等々のさきちくんの動きをみていると、
ただただ驚いてしまった。

制作の合間に、同じ古株で、今はアトリエ最長老となったしゅん君と話したり、
大人の方と話すさきち君をみると、
はじめたばかりの頃のアトリエの風景を思い出されてなんだかいい感じだった。

基本的には制作のためにアトリエに来てくれたのだけれど、
合間に進路を考え中の高校生の相談にのってくれたり、
逆にお世話になってしまった。

ちょっと楽しい、さきちくんのプチ復活だった。