041. 制作

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学校で制作をしていると、
「もっと才能があったらなあ」とか、
「オレ(わたし)って絵の才能がないから。。」などという人がいる。

才能ってなに?とたずねられると、困ってしまう。
でも、ひりひりするような制作をする人がいるのは確かだなあと
思うことはある。

以前通っていた学校に、そういった人がいた。
当時は中学一年生だったのだけれど、
他のひとたちの作品づくりとはまったく違っていて、
課題を通り越して、ずっと遠くをみつめているような制作をする人だった。

そのひとが、ある時に、小学校高学年のときにつくった、
夏休みの作品のファイルを見せてくれた。
ウオーホルに刺激を受けたであろうもの、竜安寺を自分で解釈し直したもの、
地図を使ったオブジェ、などなど。。
とても知的で、現代美術に理解の深い作品だったように思う。
感動すると同時に、切なくなってしまった。

ああ、どんなにかこの人はさびしいだろう、と思ったからだ。

おもしろいな、素敵だな、と思ったものを友達や周囲の人と
一緒に楽しみたくなるのは人情だと思う。
でも、あまりに感じるものが人とかけ離れていれば、
「おもしろいねえ」「いいねえ」って言い合えることは少なくなる気がする。
そういうひとは、1人でいることの寂しさも豊かさも味わいつくす
星の下に生まれたのかもな、と思ったりする。

今、アトリエに絵画を制作しに来ている人にもそういう人がいる。
年頃も似ているので、ふと、そのひとを思い出した。

アトリエでは色々なひとがいるので、
楽しんでくれるといいなあ、と思っている。