027. 名前

027
アルケミスト」という名前は覚えづらいらしい。

領収書の宛名に「アトリエ・アルケミストとお願いします」とお願いして、
一発で書いてもらえたためしはない。

「んっと、アトリエ・・アヌケニスト?アム・・・?」
「・・・ええとですね、歩くのアルケ、霧のミストですね」
「あー、アルクミストね。」

それでは歩いてしまう。

「えーっと、アルクミストじゃないので・・紙ありますか?書きます」

このように大抵は、紙に書いたものを写してもらうことになる。
最近は紙に書いたものをお財布に入れて持ち歩くようにしているので、それを見せている。

アトリエ・アルケミストという名前は気に入っているので、
使いづらくても変えるつもりはない。

アルケミストというのは錬金術、という意味の言葉だ。
普通のひとがこのアトリエで何かに出会って、輝く金のように
変わって行く場所になってほしい、という意味を込めている。

出会うものは気の合う友人かもしれないし、しっくりする制作分野かもしれない。
職場や家庭、といったものから離れた第3の自分かもしれない。
それはその人それぞれだと思う。

キーワードは「制作が好き」だ。
アトリエに集まる人は経験あるなしではなく、「制作が好き」で
集まってくるので、小学生から主婦、社会人など、ふだんは話す機会のない
人たちがなんとなく集まってさんまを食べたりお茶を飲んだりすることになる。

年齢や職業を超えたところで情報を交換したり、作品をのぞきあったりするので、
そこからまた新しいアイデアが出たりすることもある。

逆に、ひまつぶし気分でやってくる人は、
小学生だろうが居づらくなってしまうようなので、そこは見ていてとても面白い。

最近では、社会人クラスの方のなかで「大人の自由研究会」というのができた。
制作とは関係ないのが面白い。
なんとなーく日を決めてはどこかへ出かけている。
「いい大人がどれだけあほうな事ができるのか」が一応の研究テーマだ。

第1回は「滝に打たれる」。厚木に結構本格的な滝があるので出かけて行った。
あまりに大きい滝なのであっさり挫折し、小川にちゃぷちゃぷ足をつけて帰ってしまった。

第2回は「大人になる」。新年の築地市場を覗いたあとに寿司を食べ、
銀座をぶらつき、落語鑑賞で締めるという実に粋なスケジュールだ。
私も参加したのだが時間の都合で落語を見れず、とても惜しい思いをした。

小学生の間にも色々な輪が出来つつある様子。

今後が楽しみだなあ、と思っている。

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