011. とかげまつり

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コロコロ児童館は、去年できたばかりのかわいらしい児童館だ。

アトリエでは、4月からこの児童館で、小学生低学年を中心に月に一度工作講座をしている。
「自由工作」というタイトルで、おおまかなテーマだけ用意して、
あとは何をやっても自由だよ、というスタイルの講座だ。
児童館の地元にある玉川大学の卒業生の方に先生役をお願いし、にぎやかに進めている。

第一回目のテーマは「春」だった。
模造紙いっぱいの大きさの木を用意して、たくさんの花を咲かせたり、生き物をあそばせて、
コロコロ児童館の魔法の木をつくろう!ということにした。春だし、満開の桜をイメージしての案だった。

工作の当日、皆に、この木を飾って、花や、虫や鳥でいっぱいのにぎやかな木をつくろう!と持ちかけると、
「ほんとになんでもいいの?」と聞かれた。
「そう、魔法の木だからいろんな花が咲いたり、いろんな生き物がいたりするんです。」
「花じゃなくても?」
「そう、なんでも。」

その子はしばらく考えて、3センチ四方くらいの紙片を、茶色いクレパスで塗ったものを持ってきた。

「・・・これは?」
「みつ」
「?」
「カブトムシとかが、なめるじゃん」
「・・ああー、蜜ね!」

その男の子はうれしそうに、木の幹に蜜を配置した。

そこから祭りは始まった。

「じゃあ蜜たべにきたミツバチ」
「オレむかで」
「かぶとむし」
「じゃあむかでを食べに来たとかげ」
「あっいいなあ、じゃ私もとかげ」
「オレオレヒトカゲ!」

花がいくつも咲かないうちに、コロコロ児童館の魔法の木にはトカゲが大集合した。
空には真っ黒い戦闘機も飛んだ。

「おおーかっこいい!これいいねー、先生!」
「・・・・・・・・・。」

最終的には花も増え、動植物とりまぜて生き物満載の木となったが、
とかげの集合していく過程はとてもおもしろかった。

いやあ、何が起こるかわかりません。

ころころ児童館、恐るべし。