010. 家族

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大学時代の恩師の個展に行ってきた。

大学時代の友人ご夫婦と、1歳になるお嬢さんと一緒に絵をみた。

友人夫婦は高校生からの付き合いで結婚したカップルだ。
お茶を飲みながら、お嬢さんのことを世話する二人をみて、ああ、二人は家族になったのだ・・と感動した。

家族というと私は、自分の家族の他にいつも思い出すメンバーがいる。
サラリーマンを辞める前後によく一緒に過ごした。一時期は共同生活に近かったんじゃないかと思う。

何をしていたかというと、くだらないテレビまんがのビデオを明け方まで見たり、
バトミントンをしたり、延々と落書きをしながらばかばなしをしたりと、ひまな小学生のようにすごしていた。
終電がなくなってしまうと、足がくさいとか布団が足らないとか文句をいいながらざこ寝をした。

この3人とは、とにかくよく一緒にものを食べた。

お金はないのでもちろん自炊で、焼きそばとかなべとかお好み焼きとかばかりだ。
その後は皆ばらばらに、一人は岩手の新聞社に、一人は東京の広告会社に、
一人は京都のゲーム会社に行った。私は学校を受験した。

自分が生まれた生家のほうはあたりまえすぎて意識できないのかもしれない。
家族という言葉で思い出すのはなぜかこちらの三人だ。

おもしろいもので、今一緒に住んでいる二人には家族と言う感覚はない。お互いそうだろうと思う。
昔からの知り合いの、仲の良い同居人、といった感覚だ。

おそらく、一緒にものを食べていないからだろうと思う。

こうだといいな、というアトリエの雰囲気の基準はいつも、ひまな小学生のようにすごした、
4人で過ごした時の空気だ。

今もわりあいに成功してるとおもうけれど、
もっとそういうところになっていったら楽しいだろうな、と妄想している。