006. オシャレの限界

006
同居人が高知に行き、お土産にいもけんぴを買ってきてくれた。
いもけんぴは、さつまいもでできた甘い揚げ菓子だ。
同居人いわく、「これを見たとき、おみやげはこれしかないと思った」とのこと。
私が、楽しいデザインのものに弱いのを知っていたので、買ってきてくれたのだろう。
袋に、白い筆文字でさらりと「いもけんぴ」。そのわきに、河童に似た生き物が
中腰で芋をひきずっている。

顔は昔の少女雑誌の挿絵のような真っ赤なおちょぼ口をしている。
河童はくちばしで、おちょぼ口ではないはずだが、背中は甲羅をしょっているので河童なのかと思う。
しかし、あたまには皿でなくどんぶりをかぶっており、やっぱり何の生き物なのかわからない。
ひきずっている芋のさきには、どことなく不二家のぺこちゃん調の少年が、満面の笑みでつるにまたがっている。
少年は芋のサイズから考えると体長約20センチ。すごく小さい。

芋が出てくるという以外、ほとんど脈絡のない絵柄は、すごく魅力的だった。
高知っていいところだなーと思ってしまう。

洗練に洗練を重ねたデザインは、いいなあと思う。
無駄をそぎおとしたデザインも、装飾的なものも、優れたデザインとされているものには、
吟味しぬかれた厳しさがあると思う。
作り手の意図や美的な感覚、思想などを、できるだけまっすぐ形にとかしこんだもの。
そういった厳しさや強さがよさを支えるのだと思う。

でもそういったお話とはぜんぜん違うところで生まれたデザインも、私は大好きだ。

洗練、といった意味での強度はぜんぜんない。へなちょこだ。
でも意識した吟味がない分、無意識のわけのわからない感じがストレートに見えて、人間のつかみきれない、
へんてこさみたいなものの強さがある気がする。

なんというか見ていて脱力するけど、野太くっていいと思う。